発疹とは?発疹の原因となる疾患を解説(症例画像付き)

「皮膚の一部が突然赤くなる」「急に、肌にブツブツした盛り上がりが出てきた」など、日常生活で突然起こる皮膚トラブル。医学的には、皮膚に突然現れる見た目の変化のことをまとめて「発疹(ほっしん)」と呼びます。発疹の色や形、大きさ、質感は多種多様で、発疹が出る原因もさまざまです。発疹の多くは、短期間で自然とよくなりますが、中には大きな病気が隠れていることもあります。突然の発疹で慌てないために、発疹の種類や対処法についての知識を身につけておきましょう。

発疹とは

医学用語では、皮膚に現れる見た目の変化のことを「皮疹(ひしん)」と呼び、中でも数時間あるいは数日のうちに急に出てきた皮疹のことを「発疹(ほっしん)」と呼びます。発疹は単一の病気を示す病名ではなく、「皮膚に目で見て分かる変化がでている」という症状を指す言葉です。したがって、発疹といっても、その形状や色、大きさ、質感などにはさまざまな種類があります。もちろん、発疹が出る原因も一つではなく、いろいろな原因や病気が関わっています。

「発疹」と聞いて、多くの人は、“赤くてブツブツしたできもののようなもの=湿疹(湿疹)”を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、湿疹は「発疹(皮膚に現れる見た目の変化)」のうちの一つであって、必ずしも、「発疹=湿疹」というわけではありません。

発疹の種類

発疹は、皮膚に現れる見た目の変化のことを指すため、色や形、大きさ、質感などにはさまざまなバリエーションがあります。赤から紫、あるいは茶の色調の変化で凹凸のない「斑(はん)」や、ブツブツ・山のような盛り上がりなどの「丘疹」「結節」「腫瘤」「膨疹」「蕁麻疹」、ブツブツの中に体液や膿がたまる「水疱」「膿疱」などがあります。それぞれの用語を詳しくみていきましょう。

  • 斑(はん)…平らな皮疹で、皮膚の色調が変化します。血管(血液)の色によって起きるタイプと、色素沈着もしくは色素の欠落が関わっているタイプがあります。血管の色によって起きるタイプは、皮下の血管が拡張して皮膚の一部が赤くなる「紅斑(こうはん)」や、内出血によって紫にみえる「紫斑(しはん)」があります。色素沈着が関わっているタイプは「色素班(しきそはん)」と言い、メラニン色素によって褐色から茶褐色になったり、金属や色素によって色調が変化したりします。そのほか、一部分だけメラニン色素が欠落して皮膚が白くなる「白斑(はくはん)」などもあります。
  • 丘疹(きゅうしん)、結節(けっせつ)、腫瘤(しゅりゅう)…いわゆるブツブツやできものなど、皮膚にできる小さな盛り上がりのことです。目安として直径10㎜以下は「丘疹」、10~30㎜は「結節」、30㎜以上は「腫瘤」など、ブツブツの大きさによって呼び方が変わります。
  • 水疱(すいほう)、膿疱(のうほう)…ブツブツや盛り上がりの中に液状の内容物が入っているものです。透明な体液が入っているものを「水疱」、白から黄色の濁った液体が入っているものを「膿疱」と呼びます。
  • 膨疹(ぼうしん)・蕁麻疹(じんましん)…皮膚の一部がむくんで、平たい盛り上がりができます。たいていかゆみや赤みを伴いますが、24時間以内に痕を残さず消えるのが特徴です。

発疹が出る原因となる疾患名

皮膚に発疹が出る原因はさまざまです。よくあるのは、「虫にさされた(虫刺症:ちゅうししょう)」、「薬品や金属、刺激性の物質にかぶれた(接触皮膚炎)」など、外部からの刺激を受けた部位に発疹が出るケースです。特定の食べ物に対するアレルギー反応を起こした結果、皮膚に発疹として症状が現れることもあります。

ブユによる虫刺され

ブユ


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植物による接触皮膚炎

イヤリングによる接触皮膚炎


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その他、突発性発疹や手足口病、麻疹(はしか)、風疹(ふうしん)、溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)、ヘルペスなど、発疹を引き起こす感染症の他、風邪、インフルエンザなどのウイルスまたは細菌への感染症の影響で、免疫の働きが乱れ、発疹が出るケースもあります。幼い子どもの場合は、突発性発疹(とっぱつせいほっしん)、りんご病(伝染性紅斑)、水痘(すいとう)などの感染症の経過として発疹が出ることがよくあります。

もともとアトピー性皮膚炎の既往がある人の場合、ストレスや病状の悪化によって、発疹が出ることもあります。

左右対称の皮膚炎・かぶれ

乳児期では頬にジュクジュクした発疹

ひじやひざの内側にできる皮膚炎・かぶれ


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比較的稀なケースでは、薬疹(やくしん)といって、内服薬の副反応として発疹が出ることもあります。


ただし、これといった原因が見つからないケースや、内分泌疾患(ホルモンの病気)、肝臓の病気、自己免疫疾患や悪性腫瘍などの大きな病気の皮膚症状として発疹が出る場合もあるため、注意深く経過をみる必要があります。

発疹の対策方法

発疹は突然現れるものですが、症状が急激に変化したり、蕁麻疹のように数時間からその日のうちに消えてしまったりする場合もあります。発疹が出てきたら慌てずに、まずは症状の出方や部位、経過を記録しましょう。発疹の色や形、大きさなどが分かるように、スマートフォンなどで患部の写真を撮っておくと診療に役立ちます。

発疹の種類によってはかゆみを伴うものもありますが、掻くと必ず症状が悪化し、治りにくくなるため、掻かないようにしてください。かゆみやほてり感、ヒリヒリ感といった違和感がある場合は、濡れタオルをあてて症状を和らげましょう。
発疹の原因が、かぶれ(接触皮膚炎)や虫刺されであることが明らかな場合は、市販のステロイド外用剤で治療するのが有効です。

一方、原因が分からない場合は、最近の自分の生活を振り返りましょう。飲んでいる内服薬、サプリメントの種類、皮膚に触れる洗剤・アクセサリー(金属)などの刺激物の有無、アレルギーをきたす食品を食べたかどうか、過度なストレスにさらされていないか、風邪などの感染症に罹っていないかなどを思い返し、気付いたことがあれば記録しておきましょう。

病院を受診する目安

発疹は患部を掻かなければ、短期間で自然とよくなることが多いです。しかし、原因不明の発疹が長引いている、症状が悪化している、発疹の範囲が広いなどの場合は、自己判断をせず、皮膚科を受診してください。我慢できずに患部を掻いてしまい、ただれてしまった場合もすぐに皮膚科を受診しましょう。

その他、皮膚の症状だけでなく、発熱・腹痛・吐き気・めまい・息苦しさなどの全身症状が現れた時は、緊急受診が必要です。すみやかに医療機関を受診してください。

監修

帝京大学医学部皮膚科 名誉教授

渡辺晋一先生

1952年生まれ、山梨県出身。アトピー性皮膚炎治療・皮膚真菌症研究のスペシャリスト。その他湿疹・皮膚炎群や感染症、膠原病、良性・悪性腫瘍などにも詳しい。東京大学医学部卒業後、同大皮膚科医局長などを務め、85年より米国ハーバード大マサチューセッツ総合病院皮膚科へ留学。98年、帝京大学医学部皮膚科主任教授。2017年、帝京大学名誉教授。帝京大学医真菌研究センター特任教授。2019年、『学会では教えてくれない アトピー性皮膚炎の正しい治療法(日本医事新報社)』、2022年『間違いだらけのアトピー性皮膚炎診療(文光社)』を執筆。

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