蕁麻疹(じんましん)の症状・治療法【症例画像】

蕁麻疹とは

  • 蕁麻疹(じんましん)とは、皮膚に境界のはっきりした円形または地図状の膨疹(ぼうしん:皮膚の盛り上がり)が突然現れる皮膚の病気です。
  • 蕁麻疹のほとんどは原因不明ですが、通常は数時間~24時間で痕を残さず消失します。
  • 症状がひどい場合や、長引く場合は、抗ヒスタミン薬の内服などによって症状を抑えます。

症状

  • 身体の一部に、かゆみを伴う皮膚の盛り上がりが突然現れます。
  • 盛り上がりの大きさや形は、2〜3mmの円形、楕円形のものから、直径10cm以上の地図状のものまでさまざまで、患部を掻くと赤いみみずばれができます。
  • チクチクするような痛みや、焼けるような痛みを伴うこともあります。
  • 湿疹とは異なり、一つ一つの膨疹は数時間~24時間以内で痕を残さず消失しますが、別の場所に新しい膨疹が出たり、範囲が広がったりして症状が続くことがあります。
  • 湿疹のように、皮膚がガサガサしたり、痕が残ったりすることはありません。

蕁麻疹の症例画像

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原因

  • かゆみを引き起こすヒスタミンが、何らかの原因によって体内に放出されることで起きると考えられています。
  • 特定の食物、薬品、植物などに対するアレルギーや他の疾患が関与しているものもありますが、ほとんどの場合、直接的な原因は特定できません。
  • 蕁麻疹の発症や悪化の背景因子としては、ウイルス・細菌感染、疲労・ストレス、食物、運動発汗、日内リズムなどが知られていますが、複数の原因が重なって発症することもあり、特定は困難です。

蕁麻疹のタイプとその特徴

  • 蕁麻疹の症状の出方や重症度はさまざまですが、発症メカニズムの違いによって、大まかに
    1. 「突発性の蕁麻疹(直接的な原因なく症状が現れる)」
    2. 「刺激誘発型の蕁麻疹(特定の刺激やアレルギーによって症状が引き起こされる)」
    3. それ以外の特殊な蕁麻疹

の3つに分けて考えることができます。

  • これらのうち、比較的よく見られる「突発性の蕁麻疹」と、「刺激誘発型の蕁麻疹」について詳しく見てみましょう。
  • 突発性の蕁麻疹…これといった原因が特定できない蕁麻疹。大半の蕁麻疹がこのタイプに属します。症状が続く期間の長さによって、「急性蕁麻疹」と「慢性蕁麻疹」に分けられます。
    1. 急性蕁麻疹…最初の症状が出始めてから6週間以内のもの。子どもでは、感冒や上気道感染(いわゆる風邪)に伴って発症する傾向があります。
    2. 慢性蕁麻疹症状が6週間以上続いているもの。夕方から夜間にかけて症状が出やすく、悪化しやすい傾向があります。発症メカニズムや要因は不明で、症状が数か月~数年続くケースもあります。
  • 刺激誘発型の蕁麻疹特定の刺激が加わることによって起こる蕁麻疹です。刺激が加わる頻度によって、1日に何度も症状が出ることもあれば、しばらく症状が出ないこともあります。このタイプには、主に「アレルギー性蕁麻疹」、「物理性蕁麻疹」、「コリン性蕁麻疹」などがあります。
    1. アレルギー性蕁麻疹…食物、薬品、植物などに含まれる特定物質(アレルゲン)に反応して起こる蕁麻疹です。通常、アレルギーの原因物質を食べたり、それらに触れたりした数分後~1、2時間後に症状が出ます。
    2. 物理性蕁麻疹(機械性、寒冷、温熱、日光など)…皮膚に対する機械的な摩擦や、寒冷・温熱刺激、日光照射などによって引き起こされる蕁麻疹。機械的刺激によって起こるものを「機械性蕁麻疹」、寒冷刺激によって起こるものを「寒冷蕁麻疹」、温熱刺激によって起こるものを「温熱蕁麻疹」、日光への暴露によって起こるものを「日光蕁麻疹」と呼びます。
    1. コリン性蕁麻疹…入浴や運動、または精神的な緊張によって体温が上がり、発汗に伴って起こる蕁麻疹。かゆみ、またはピリピリとした痛みと赤みを伴う3~5mm大の小さい膨疹または紅斑(こうはん)ができます。これらの症状は、通常数分から 2 時間以内に一旦自然に消えますが、再び発汗する状況になると、同じ症状が繰り返し現れることがあります。

 

治療法

  • 蕁麻疹の多くは、数時間~24時間で痕を残さず自然に消失します。ただし、以下のような場合は、病院での診断・治療が必要です。
    1. かゆみや痛みの症状が強い
    2. 膨疹が広範囲に及んでいる
    3. 原因が分からないが、繰り返し症状が現れる、あるいは、症状が長引いている
    4. 蕁麻疹だけでなく、まぶたや唇の腫れ、呼吸困難を伴っている
  • 蕁麻疹の診断では、まず食べたもの、常用薬、受けた刺激、既往症などの問診を行い、必要に応じて血液検査やアレルギー検査等を行って、直接的な原因や蕁麻疹のタイプを探ります。ただし、検査をしても、原因が特定できるケースは稀です。
  • 特定の原因物質や刺激(食物、薬品、物理的刺激など)が分かった場合は、それらを避けるようにします。
  • 蕁麻疹の症状に対しては、主に抗ヒスタミン薬の内服治療を行います。
  • かゆみのために、掻いてしまい、患部が湿疹化した場合は、ステロイド外用剤を併用して患部を治療します。
  • 蕁麻疹の症状は、軽いものから重いものまでさまざまです。蕁麻疹のタイプによっては、抗ヒスタミン薬以外の治療が有効な場合もあるので、医師に相談しましょう。

対処・予防法

 

  • 蕁麻疹の原因として、特定の食物や物質、刺激が特定できている場合は、その原因となるものを避ければ、基本的に症状が出ることはありません。
  • 原因が分からないタイプの蕁麻疹の場合は、日常的な生活環境を見直しましょう。例えば疲労や精神的ストレス、食生活や衣服による締め付け等が、症状の悪化に関与していることもあります。充分な休息と栄養をとり、ストレスのない生活を心がけましょう。
  • 蕁麻疹の症状が出てしまった時は、患部を掻かないようにしましょう。掻けば掻くほど、かゆみが広がり、湿疹化してしまう恐れがあるからです。どうしてもかゆい場合は、濡れタオルなどで患部を冷やして、一時的にかゆみを抑えましょう。ただし、寒冷刺激による蕁麻疹(寒冷蕁麻疹)の場合は、冷やすと症状が悪化するので、冷やさないようにしてください。
  • 蕁麻疹の中には内科的な病気が関係しているケースもあります。原因がよく分からない蕁麻疹が続く場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。

 

監修

帝京大学医学部皮膚科 名誉教授

渡辺晋一先生

1952年生まれ、山梨県出身。アトピー性皮膚炎治療・皮膚真菌症研究のスペシャリスト。その他湿疹・皮膚炎群や感染症、膠原病、良性・悪性腫瘍などにも詳しい。東京大学医学部卒業後、同大皮膚科医局長などを務め、85年より米国ハーバード大マサチューセッツ総合病院皮膚科へ留学。98年、帝京大学医学部皮膚科主任教授。2017年、帝京大学名誉教授。帝京大学医真菌研究センター特任教授。2019年、『学会では教えてくれない アトピー性皮膚炎の正しい治療法(日本医事新報社)』を執筆。

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