正しく知って、正しく治す
皮膚炎・かぶれなどの皮膚トラブルは、皮膚で炎症が起こり、赤み、腫れ、かゆみなどが症状として現れたものです。かゆみが強い時には、我慢できずについかいてしまいますが、かくことが刺激となってさらに炎症が強まり、また、かゆくなるという悪循環になります。
患部をかき壊してしまうと、治療期間が長引くだけでなく、治ってからも傷痕が残ることがあります。また、かき壊した傷口は細菌が増殖し、化膿しやすい状態になります。
皮膚トラブルに気づいたら、すぐにしっかりとした治療を行いましょう。
自分でできること、病院で治療すべきことについて
自分でできること、病院で治療すべきこと
皮膚トラブルの治療は、その原因や症状、症状の程度によって
市販のお薬(OTC医薬品)によるセルフメディケーションあるいは専門医の診断・治療にわかれます。
- 自分でできること薬局・薬店で相談のうえ、セルフメディケーションで治療できる疾患
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原因がはっきりした短期間で治る皮膚トラブルには市販のお薬が使えます。
- ●原因が明らかな接触皮膚炎
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- ・金属かぶれ
- ・植物かぶれ
- ・湿布、薬剤かぶれ
- ・身の回り品の接触皮膚炎
- ・下着など圧迫による皮膚炎
- ●虫さされ
- ●あせも
- ●しもやけ
- ●日焼けによる炎症
- ●一時的な手湿疹、洗剤かぶれ・手あれ
- ●ドライスキンに伴う軽度の掻き壊し
※重症・広範囲な場合や1週間で治らない場合は専門医に相談してください。
- 病院で治療すべきこと専門医に相談のうえで治療すべき疾患
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原因がはっきりしない、いつまでも続く皮膚トラブル、また手のひら2~3枚分を超える広範囲の場合は、専門医の診断・治療を受けてください。
- ●アトピー性皮膚炎
- ●脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
- ●じんましん
- ●掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
- ●乾癬(かんせん)
- ●軽快悪化を繰り返す手湿疹
- ●広範囲で繰り返す瘙痒症(そうようしょう)、皮脂欠乏性湿疹
治療のポイント
かゆみの原因は皮膚の炎症
皮膚炎・かぶれはかゆみを伴いますが、これは炎症によって生じたヒスタミンなどの化学伝達物質が知覚神経を刺激することで起こります。
皮膚炎・かぶれの悪化の原因は「かゆくてかいてしまうこと」
かゆみは我慢することが難しく、無意識のうちについかいてしまいます。
かゆいからとかき続けると、さらに炎症が進行して症状が悪化します。
症状が悪化するとさらにかゆみは増し、「またかいてしまい、悪化する」という炎症の悪化サイクルに陥ってしまいます。
早く治すには、炎症の悪化サイクルを断つ
症状を早く治すためには、まずは原因を取り除くことが大切です。また、新たな刺激を与えることで症状は悪化しますので、かかないようにすることがポイントとなります。
充分な抗炎症作用を持った薬剤を使う
炎症の悪化サイクルを断ち切るには、ステロイド外用剤が効果的です。ステロイド外用剤は優れた抗炎症作用を持つため、炎症をすみやかに抑えて、かゆみなどの症状を鎮めます。
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充分な効果が得られる強さの
ステロイド外用剤から使い始める症状がおさまるにつれ、
ランクダウンする- ・短期間で治癒
- ・かき傷が広がらないので
キズあとが残りにくい