食事療法をもっと楽しく
過敏性腸症候群(IBS)に悩む受験生のみなさん、勉強に忙しく、不規則な生活から体調を崩していませんか?受験生にとって合格発表の日までストレスが続き、IBSの症状が継続しないか不安なことでしょう。
IBSとうまくつきあうためには、日頃から食事や生活習慣に気をつけることが重要です。
しかし、限られた時間の中で目標にむかっている受験生のみなさんは、食事が不規則になったり、睡眠時間を削る生活を送ることがあるかもしれません。
遅くまで起きていると、空腹を感じ夜食を摂ることもあると思いますが、その際は、食事の摂り方や食材、調理方法に注意しましょう。
毎日、プレッシャーや不安な気持ちをかかえ、IBSに悩む受験生には、どのような夜食がオススメか、管理栄養士の志水あいさんに伺いました。
ーー受験生にとって気をつけるべき食習慣は?
(志水さん)朝食は1日の活動をスタートするスイッチのようなもの。朝食を抜くと朝型から夜型へシフトしやすくなるので、午前中の試験で実力を発揮できない可能性も。
ーー夜食のメリットとデメリットとは?
(志水さん)メリットは、空腹を補うことで夜間の勉強に集中できることです。
デメリットは、食べすぎて眠くなったり、消化不良で睡眠が妨げられたり、朝になっても空腹を感じず朝食を抜いてしまうことなどです。
ーー夜食に適した内容を教えてください。
(志水さん)夜食を食べるときは、消化のよいものを適量食べるようにしましょう。
とくに、ストレスの影響を受けやすいIBSに悩む受験生の夜食に向いている食材は、消化に時間がかかる脂質が少なく、空腹感を紛らわしやすい炭水化物を含むごはんや麺、いもなど。
いもには、加熱しても損なわれにくいビタミンCが多く含まれています。ビタミンCはストレスによって消費されやすい栄養素なので、ビタミンCを多く含む食材を意識して摂取し、補給するようにしましょう。
(志水さん)また、調理方法や味つけにもひと工夫を。熱すぎたり冷たすぎる食べ物も胃腸にとってはストレス。香辛料がたっぷりの食べ物もよくありません。温かくやさしい味つけでほっとリラックスできるような料理がおすすめです。
受験生にとって、試験やその結果がストレスにつながります。そんな時期に、不規則な生活がストレスを増大させることもあります。ストレスはIBSの症状の増悪に関係しているとされており、IBSの症状悪化のスパイラルに陥る一因ともなります。
そうならないためにも、日頃から食事や生活習慣に気をつけましょう。
なお、食事や生活習慣に気をつけていてもIBSの症状が改善しない時は、治療やお薬によって緩和することができますから、適切な対処をすることをおすすめします。
IBSの症状をお持ちの受験生は、試験の前に申請することで、試験を別室で受ける、トイレに行きやすい出入り口付近の座席にしてもらうといった「受験上の配慮」を受けることができます。
執筆者プロフィール
【健康ライター、管理栄養士】
管理栄養士として健康づくりに役立つ情報発信をしたいと考え、健康ライターになる。主にWEBサイトや書籍などで、健康・育児関連の記事を執筆。栄養素のはたらきを重視したレシピづくりも行っている。忙しいときでも手軽につくれる簡単レシピが得意分野。最近は、食べ物をもっと深く知るために作物の育て方などを勉強中。