『貨幣状湿疹』の原因・症状・治療法【症例画像】

大きな円形の湿疹が体に多数広がっており、一部はかさぶたのようになっている

貨幣状湿疹の症例画像


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貨幣状湿疹とは

・貨幣状湿疹(かへいじょうしっしん)とは、境界線のはっきりした直径1~5cm程度の比較的大きな円形の湿疹がたくさんできる病気です。

・貨幣状湿疹という病名は、コインのような湿疹の形状にちなんでつけられるもので、直接的な原因は分かっていませんが、乾燥肌や虫刺され(虫刺症)、かぶれ(接触皮膚炎)などをきっかけに発症したり、それらを掻き壊すことがきっかけになって発症すると考えられています。

・湿疹の色調は赤~茶褐色で、周辺部には小さな水ぶくれを伴うブツブツができ、中心部は赤みが強くジュクジュクし、かさぶたや鱗屑(うろこ状のくず)ができたりします。

・強いかゆみを伴い、掻くことによって湿疹が広がっていきます。

・腕や脚、おなか周りや臀部などにできやすく、冬場に発症しやすい病気です。

貨幣状湿疹の原因

・貨幣状湿疹ができる直接的な原因は分かっていませんが、乾燥肌や虫刺され、かぶれなどをきっかけに発症したり、それらを掻き壊すことで発症するケースがよく見られます。

・その他、アトピー性皮膚炎の症状の一つとして、あるいは内科的な疾患に関連して貨幣状湿疹が現れることもあります。

・貨幣状湿疹に至る主な経過として、以下のようなケースがあります。

 虫刺されから
虫刺されをきっかけに、かゆみの強いポツポツがたくさんでき(痒疹:ようしん)、我慢できずに患部を繰り返し掻き壊すことで、やがて貨幣状湿疹へ移行することがあります。

 かぶれから
洗剤や薬剤など刺激性物質へのかぶれ、金属アレルギーなど、何らかのアレルギー反応によるかぶれ、または、繊維の擦れなど物理的刺激によるかぶれが起き、患部を繰り返し掻き壊すことで悪化し、貨幣状湿疹へ移行することがあります。

 肌の乾燥から
特に高齢者では、乾燥によってバリア機能が障害された部位に炎症が生じて起きる「皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)から貨幣状湿疹へと移行することがあります。

 ④アトピー性皮膚炎に関連して
アトピー性皮膚炎の症状の一つとして、貨幣状湿疹が現れることがあります。

・貨幣状湿疹に対する適切な治療を行わなかった場合は、突然全身に2〜5mm大の赤いブツブツが広がる自家感作性皮膚炎(じかかんさせいひふえん)が生ずることがあるので注意が必要です。自家感作性皮膚炎は、病変部の細菌感染に関連したアレルギー反応によって起きると考えられていますが、詳しいメカニズムは分かっていません。

貨幣状湿疹の症状

・強いかゆみを伴う直径1~5cm程度の比較的大きな円形の湿疹がたくさんできます。

・とにかくかゆみが強いので、患部を掻き壊してしまうことで悪化させてしまい、多くが慢性の経過をたどります。

・患部は赤~茶褐色で境界線がはっきりしており、一つ一つの湿疹を見ると、外側には小水疱(小さな水ぶくれのあるポツポツ)が、中心部には浸出液(水ぶくれから出る液体)でジュクジュクした傷ができるのが特徴です。

・貨幣状湿疹を掻き壊すとさらに症状が悪化して周囲に広がり、いくつかの貨幣状湿疹がくっついて病巣が大きくなることがあります。

・患部のジュクジュクは乾燥するとやがてかさぶたになり、鱗屑(うろこ状のくず)がボロボロと出てきます。

・発疹が治りかけたところにまた新しい発疹が現われることもあります。

・秋から春先にかけて、空気が乾燥して寒い時期に多く見られます。

・中年以降の成人に多い病気です。

貨幣状湿疹の治療法

・貨幣状湿疹の治療は基本的にステロイド外用剤を使用します。

・貨幣状湿疹は適切な治療を受ければ、たいてい数週間程度で症状が改善します。ただし適切な治療を受けないと悪化することが多いです。治療を受けてもよくならない場合は医療機関で適切な治療を受けてください。

・貨幣状湿疹の中には、他の皮膚の病気(真菌による感染症など)と見分けがつきにくいものがあるため、病変部の組織を採取して、検査をすることもあります。

・貨幣状湿疹の原因は不明ですが、虫刺されやかぶれを掻き壊すことが引き金になって貨幣状湿疹に移行するケースが報告されています。貨幣状湿疹に移行させないためには、虫刺されやかぶれなどの肌トラブルが発生した段階で、正しいセルフケアをすることが大切です。充分な強さのステロイド外用剤を塗ってすみやかに炎症を抑え、患部の掻き壊しを防ぎましょう。

監修

帝京大学医学部皮膚科 名誉教授

渡辺晋一先生

1952年生まれ、山梨県出身。アトピー性皮膚炎治療・皮膚真菌症研究のスペシャリスト。その他湿疹・皮膚炎群や感染症、膠原病、良性・悪性腫瘍などにも詳しい。東京大学医学部卒業後、同大皮膚科医局長などを務め、85年より米国ハーバード大マサチューセッツ総合病院皮膚科へ留学。98年、帝京大学医学部皮膚科主任教授。2017年、帝京大学名誉教授。帝京大学医真菌研究センター特任教授。2019年、『学会では教えてくれない アトピー性皮膚炎の正しい治療法(日本医事新報社)』、2022年『間違いだらけのアトピー性皮膚炎診療(文光社)』を執筆。

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