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蕁麻疹(じんましん)の治療法と治療薬

蕁麻疹

蕁麻疹の症例画像

蕁麻疹

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蕁麻疹(じんましん)とは、皮膚に突然強いかゆみを伴う赤い膨疹(ぼうしん:皮膚の盛り上がり)ができる皮膚の病気です。

蕁麻疹の多くは、数時間~24時間以内に何事もなかったかのように、痕を残さず自然に消えてしまいますが、中には範囲が広がったり、長期間症状が続いたりすることがあります。

これといった原因がないのに繰り返す蕁麻疹や、しつこく、つらい症状に悩まされているときは、医療機関での診断治療が必要です。

蕁麻疹に対しては、具体的にどのような治療を行うのでしょうか。

蕁麻疹の治療法と治療薬について詳しく解説します。

蕁麻疹の多くは原因が特定できない

蕁麻疹は、かゆみを引き起こす物質「ヒスタミン」が、何らかの原因によって体内に放出されて起こる皮膚の病気です。

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食べ物や、飲んだ薬などが原因で発症するものと思われがちですが、実は食物、薬剤、植物などに含まれる特定物質(アレルゲン)や、物理的刺激が直接的な原因によって発症することはあまりなく、蕁麻疹の大半は原因不明です。

日々の疲労、精神的ストレス、食習慣や運動、感染症などの要因や、これらのいくつかが偶然重なり合って発症することも多く、その原因を特定することは非常に困難です。

病院で受診すべき目安

こんなときは病院を受診

蕁麻疹は、比較的身近な皮膚疾患ですが、症状の程度は軽度から重度までさまざまです。蕁麻疹の中には、内科的な病気が関わっているケースもあるので、

    1. 原因がよくわからない蕁麻疹が出た
    2. 症状が長引いている
    3. 広範囲に症状が広がっている
    4. かゆみや痛みの症状が強い

などの場合は、病院を受診しましょう。

蕁麻疹の皮膚症状に加え、まぶたや唇の腫れ、呼吸困難を伴っている場合は、アナフィラキシーショックなどの重篤な状態に陥ることもあるため、すぐに受診が必要です。

蕁麻疹の治療法

蕁麻疹の治療に関しては専門医への相談が基本

繰り返す蕁麻疹の治療に関しては、基本的に皮膚科専門医に相談する必要があります。

蕁麻疹のタイプによっては、膨疹が出たり消えたりを繰り返すことがあります。受診するタイミングで消失してしまっていると診断が難しくなるので、症状が出ている状態を自分で写真などに記録しておくと、医師の診断に役立つことがあります。

自分では発症の原因がわからない蕁麻疹でも、専門医による検査や診察によって、原因が判明することもあります。原因が特定できた場合は、その原因を取り除き、発症を防ぐことが第一の治療法になります。

その上で、自然の経過で軽快しない蕁麻疹や、症状が重い蕁麻疹に対しては、医師の判断で内服薬による治療を開始します。

内服治療では、膨疹やかゆみを引き起こすヒスタミンの働きをブロックする「抗ヒスタミン薬」が主に使用されます。原因不明の蕁麻疹に対しても、抗ヒスタミン薬の内服治療を行うことで、蕁麻疹の症状自体を抑えることが期待できます。

抗ヒスタミン薬のはたらき

抗ヒスタミン薬は、蕁麻疹に対する内服治療薬として、病院でよく処方されるお薬です。

蕁麻疹によるかゆみや赤みなどの皮膚症状を抑えるメカニズムをみてみましょう。

蕁麻疹では、何らかの原因によって、皮膚の内部にある肥満細胞から「ヒスタミン」が放出されます。このヒスタミンは、ヒスタミン受容体(H1受容体)に作用することで、皮膚の腫れや赤み、かゆみなどのつらい症状を引き起こします。

抗ヒスタミン薬は、肥満細胞から放出されたヒスタミンがH1受容体に作用することをブロックし(拮抗作用という)、ヒスタミンが働かないようにすることで、蕁麻疹の皮膚症状を改善する働きがあります。

抗ヒスタミン薬は、蕁麻疹だけでなく、花粉症に対しても幅広く用いられているお薬です。作用の強さや副作用のリスクが異なるさまざまな種類があり、症状に合った抗ヒスタミン薬が処方されます。

自宅での過ごし方や患部のケア方法

蕁麻疹の多くは原因不明ですが、検査や診察によって、蕁麻疹の原因が特定できた場合は、できるだけその原因となる物質や刺激などを避けて生活し、蕁麻疹の再発を予防しましょう。

また、蕁麻疹の症状が出ている間は、医療機関での抗ヒスタミン薬による内服治療を継続することになりますが、蕁麻疹のタイプによっては、夜間にかゆみが強くなったり、特定の刺激を受けて突然かゆみが出たりすることがあります。かゆいからといって、かゆみにまかせて掻いてしまうと、それが刺激になって蕁麻疹が広がったり、掻いたところが湿疹化したりします。かゆみが強く、患部を掻くことを我慢できない場合などは、自宅でできる一時的な対処療法として、濡れタオルで患部を冷却する、またはステロイド外用剤を塗ることがかゆみの鎮静に役立つことがあります。ただし、蕁麻疹の中には、患部を冷やすことによって症状が悪化するタイプの蕁麻疹(寒冷蕁麻疹)もあるので、医師の指導の下で行うようにしてください。

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万が一、患部を掻き壊して湿疹化してしまった場合は、すみやかに炎症を抑えることが必要です。

特に、子どもの場合は、掻くことを我慢することが難しく、蕁麻疹の治療の過程で患部を掻き壊してしまうことが少なくありません。湿疹になってしまった箇所には、早めにステロイド外用剤を塗って、症状を長引かせることなく治しましょう。

 

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帝京大学医学部皮膚科 名誉教授 渡辺晋一先生 監修

2020.11.09

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