コリン性蕁麻疹の症状・治療法

コリン性蕁麻疹とは

症状

  • 発汗する、もしくは発汗を促す刺激に伴って、3~5mm大の小さい膨疹または紅斑(こうはん)がたくさん現れるのが特徴です。左右対称に症状が現れることもあります。
  • それぞれの膨疹はくっつくこともありますが、他のタイプの蕁麻疹のように、地図状や扁平な膨疹になることはありません。
  • かゆみ以外に、ピリピリ・チクチクした痛みを伴うことが多いのも、他のタイプの蕁麻疹と異なる特徴です。
  • 通常、膨疹が出てから数分後~2時間以内に一旦自然に消えますが、再び発汗する状況になると出現します。小児から20代の若者に多く、高齢者にはほとんど見られません。
  • 慢性蕁麻疹のように夜間に症状が出ることは少なく、日中の活動時を中心に症状が出やすい傾向があります。
  • 手のひら、足の裏、腋の下を除く全身に症状が現れます。最もよく症状が現れる部位は体幹部です。
  • 通常は、夏期に症状が出やすいと考えられていますが、冬季の運動や入浴で悪化することもあります。
  • 辛い食べ物や、熱い食べ物が刺激になって発症することもあります。

原因

  • コリン性蕁麻疹の発症メカニズムには解明されていないことも多いのですが、発汗をつかさどる「アセチルコリン」という神経伝達物質が関係していることが分かっています。
  • そもそも、汗をかくというのは、体温を一定に保つための生理機能の一つです。運動や入浴、精神的緊張などによって体温が上昇すると、それが脳に伝わって、脳から「汗をかいて体温を下げなさい」という指令が出ます。脳からの指令は、自律神経を介して全身に伝えられ、汗腺を開くための神経伝達物質「アセチルコリン」を大量に分泌させます。コリン性蕁麻疹は、この発汗の鍵となるアセチルコリンが刺激になって、発症すると考えられています。
  • 実際、コリン性蕁麻疹の患者さんの皮膚の中に、少量のアセチルコリンを注入する検査を行うと、注射した箇所の周りに膨疹が出ることが確認できます。
  • 詳しいメカニズムは分かっていませんが、コリン性蕁麻疹の患者さんの皮膚の中ではかゆみを引き起こす「ヒスタミン」が大量に分泌されていることが分かっています。
  • コリン性蕁麻疹の発症には、アセチルコリン、ヒスタミンの他、アレルギーやアトピー素因、乏汗症(ぼうかんしょう:汗が出にくい状態)などが関わっているという報告もありますが、そのすべてはまだ解明されていません。

治療・予防法

  • コリン性蕁麻疹は通常、膨疹が出てから数分後~2時間以内に自然に消えてしまいます。発汗に連動して、繰り返し症状が出ることがありますが、軽度のコリン性蕁麻疹のほとんどは、特に治療をしなくてもだんだんと身体が慣れて自然に治ります。
  • 症状が繰り返し現れる、あるいは、発症時の痛みや不快感によって日常生活に支障があるときは、皮膚科を受診しましょう。抗ヒスタミン薬などの内服治療薬で症状をコントロールします。
  • 患部を掻いてしまい、湿疹化した場合は、ステロイド外用剤を併用して、患部の炎症とかゆみを抑えましょう。
  • コリン性蕁麻疹は、運動不足や入浴時に湯船につからないなど、汗をあまりかかない生活習慣をきっかけに発症するケースが報告されています。普段から適度に汗をかくことが、コリン性蕁麻疹の発症予防に役立つことがあります。ただし、すでに発症している場合は、無理に汗をかくと症状を悪化させる恐れがあるため、必ず医師に相談するようにしてください。
  • コリン性蕁麻疹は、稀に無汗症(汗が出ない病気)やアナフィラキシーなどの重篤な病気に進展することもあります。異常を感じたら自己判断せず、皮膚科を受診してください。

 

監修

帝京大学医学部皮膚科 名誉教授

渡辺晋一先生

1952年生まれ、山梨県出身。アトピー性皮膚炎治療・皮膚真菌症研究のスペシャリスト。その他湿疹・皮膚炎群や感染症、膠原病、良性・悪性腫瘍などにも詳しい。東京大学医学部卒業後、同大皮膚科医局長などを務め、85年より米国ハーバード大マサチューセッツ総合病院皮膚科へ留学。98年、帝京大学医学部皮膚科主任教授。2017年、帝京大学名誉教授。帝京大学医真菌研究センター特任教授。2019年、『学会では教えてくれない アトピー性皮膚炎の正しい治療法(日本医事新報社)』、2022年『間違いだらけのアトピー性皮膚炎診療(文光社)』を執筆。

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