温熱蕁麻疹の症状・治療法

温熱蕁麻疹とは

症状

  • 通常、温熱刺激を受けてから症状が出るまでの時間が短く、刺激を受けた直後~数分後にかゆみを伴う皮膚の赤みや膨疹が現れます。
  • 珍しいタイプの蕁麻疹で、患者は20代から40代の女性が中心です。
  • 温熱性蕁麻疹のほとんどは、温熱刺激を受けた部位(温かいものや温風に触れたところ)だけに症状が出る「局所性温熱蕁麻疹」ですが、刺激を受けた部位とは関係のないところに症状が出る「全身性温熱蕁麻疹」というタイプもあります。
  • 通常、蕁麻疹の症状は、発症後2時間以内に何事もなかったかのように消失します。
  • 軽度の温熱蕁麻疹の場合、特に治療をしなくても、いつのまにか自然に治っていることも少なくありません。
  • 重度の場合は、呼吸困難や吐き気など、重篤な症状を伴うことがあります。

原因

  • 温水や温風による皮膚の温度上昇が刺激になって発症します。
  • 詳しいメカニズムは分かっていませんが、温熱刺激がきっかけになり皮膚の内部にヒスタミンを大量に放出させ、かゆみや赤み、皮膚の腫れなどの蕁麻疹症状を引き起こします。
  • 日常生活における温熱刺激としては、以下のものが挙げられます。
    1. お湯や熱い風呂
    2. ホットタオルやカイロ、ホットカーペット
    3. ヘアドライヤーやストーブ、調理による温風
    4. 日光浴による皮膚の温度上昇
  • 温かい食べ物や飲み物によって、口の粘膜に症状が出ることもあります。
  • どの程度の温度刺激で発症するかは、個人差がありますが、温熱蕁麻疹の患者さんのデータを平均すると、およそ44℃以上の温度刺激によって発症することが多いことが分かっています。
  • 温熱蕁麻疹の見た目の症状は、「コリン性蕁麻疹」に似ていることが多いのですが、コリン性蕁麻疹は、身体の深部体温の上昇と発汗刺激がきっかけで発症するのに対し、温熱蕁麻疹は、深部体温の上昇と発汗刺激はなしに発症します。つまり、皮膚の一部分が温まる刺激だけで蕁麻疹が起こるのが温熱蕁麻疹の特徴です。
  • 温熱蕁麻疹のなかには遺伝するタイプのものも報告されています。

治療・予防法

  • 温熱蕁麻疹の症状の程度には個人差があります。軽度のものであれば、知らないうちに治っていることもありますが、なかには症状が強く出たり、長期間続いたりすることもあります。症状のために日常生活に支障がある場合は、皮膚科を受診しましょう。

病院での治療

自宅でできるセルフケアと予防法

  • 温熱蕁麻疹は、夏場だけでなく、暖房器具を使うことの多い冬場も発症しやすいので、自分が温熱蕁麻疹であることが分かっている場合は、季節を問わず注意しましょう。
  • 蕁麻疹は多くの場合、強いかゆみを伴います。つい掻いてしまいたくなりますが、かゆみにまかせて掻き続けると、それが新たな刺激になって、蕁麻疹がさらに広がったり、患部が湿疹化したりしてしまいます。かゆくても、患部を掻かないようにしましょう。
  • どうしてもかゆい時は、濡れタオルなどで患部を冷やし、かゆみを一時的に抑えましょう。
  • もし、患部を掻きむしってしまい、湿疹化してしまった場合は、ステロイド外用剤を塗って治療しましょう。
  • 蕁麻疹は、温熱刺激以外にも、ストレスやアレルギー、体調などの複数の要素が重なって発症すると考えられています。発症を防ぐためにも、充分な休息をとって、ストレスの少ない生活を心がけましょう。
  • また、自分では温熱蕁麻疹だと思っていても、病院で調べてみると、実は、発汗に関連するコリン性蕁麻疹、あるいは一旦身体が温まった後に、再び身体が冷えることで起きる寒冷蕁麻疹だったということが判明することもあります。それぞれのタイプに合った治療を行う必要があるので、症状が続く場合は自己判断せず、皮膚科を受診するようにしましょう。

 

監修

帝京大学医学部皮膚科 名誉教授

渡辺晋一先生

1952年生まれ、山梨県出身。アトピー性皮膚炎治療・皮膚真菌症研究のスペシャリスト。その他湿疹・皮膚炎群や感染症、膠原病、良性・悪性腫瘍などにも詳しい。東京大学医学部卒業後、同大皮膚科医局長などを務め、85年より米国ハーバード大マサチューセッツ総合病院皮膚科へ留学。98年、帝京大学医学部皮膚科主任教授。2017年、帝京大学名誉教授。帝京大学医真菌研究センター特任教授。2019年、『学会では教えてくれない アトピー性皮膚炎の正しい治療法(日本医事新報社)』を執筆。

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