原因はダニ?ホコリ?
一年中止まらない鼻水に悩む人に試してみてほしい5つの対策

風邪をひいているわけではないのに、鼻水が出たり鼻がつまったりする……そんな状態だとなんとなくやる気が出なかったり、イライラしたり。仕事や家事のパフォーマンスも落ちてしまいます。季節を問わずこういった症状が出る理由と、解決のヒントを大久保公裕先生に伺いました。
- 気が付くと鼻がむずむず……
この原因はいったい何? - ハウスダストによるアレルギー性鼻炎のメカニズム
- 部屋をあまり掃除しない人は、通年性アレルギー性鼻炎になりやすい!?
ハウスダストを減らす5つの対策 - ハウスダストによる鼻炎にも、
タリオンARがおすすめ! - よくあるご質問
- 監修
- 大久保先生
医師・日本医科大学名誉教授
日本医科大学大学花粉症学講座 教授
奥田記念花粉症学等学術顕彰財団 理事長
NPO花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会 理事長
日本アレルギー協会理事
気が付くと鼻がむずむず……
この原因はいったい何?
アレルギー性鼻炎には、大きく分けて季節性と通年性の2種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。 特定の時期に発症しやすいものを季節性、1年を通じて症状が続くものを通年性と呼んでいます。
季節性アレルギー性鼻炎の代表的なものが花粉症。一方、通年性アレルギー性鼻炎の原因となることが多いのが、ダニの死骸やフン、カビ(真菌)、ペットの毛、織物の繊維などのハウスダストです。
通年性アレルギー性鼻炎の症状で多いのがくしゃみや鼻水、鼻づまりといった、鼻の症状です。花粉症に比べて目のかゆみや充血などの症状は少ないですが、一方で喘息やアトピー性皮膚炎を併発する割合が高いことが分かっています。
ちなみに、季節性と通年性アレルギー性鼻炎の両方の症状がある人も少なくありません。花粉症患者のおよそ半数以上が、ハウスダストにも重複してアレルギー反応があることがわかっています。

ハウスダストによるアレルギー性鼻炎のメカニズム
では、ハウスダストはどのような仕組みでアレルギー性鼻炎を引き起こすのでしょうか?
空気中を浮遊しているハウスダストにはダニの死骸・フンやカビなどのアレルゲンを含んでいます。これらが鼻粘膜に付着すると、体内にIgE抗体という特定の物質に反応するたんぱく質が作られます。IgE抗体はマスト細胞という細胞とくっついて次のアレルゲンの侵入に備えています。そして再びアレルゲンが侵入し、このIgE抗体と結合すると、マスト細胞からヒスタミンなどのアレルギー誘発物質が放出され、くしゃみや鼻水でアレルゲンを体外に追い出そうとしたり、鼻づまりを起こして体内に入れないようにします。

私たちの体には免疫反応というシステムが備わっていて、ウイルスや細菌などの病気を引き起こす異物が入ってきたときに、素早く外に出すことで体を守っています。ところが、ダニの死骸など本来はそれほど害がないものに対して免疫が過剰に反応してしまい、体になんらかの症状が引き起こされるのがアレルギー反応。本来は体を守るはずの反応が、マイナスに働いてしまうというわけです。
部屋をあまり掃除しない人は、通年性アレルギー性鼻炎になりやすい!?
ハウスダストを減らす5つの対策

日本人の4人に1人は通年性のアレルギー性鼻炎だという調査もありますが、特に多いのがダニアレルギー。ちなみに日本の家の中には約10~20種類のダニがいると言われていて、主にアレルギー性鼻炎の原因となるのは体長約0.3~0.5mmのコナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニです。
ダニがもっとも好むのは布団やじゅうたんの中。カーペットやソファの中にも多く生息しています。フケ、アカ、食べかすなどを餌とし、高温多湿を好むので梅雨時や秋口に増殖します。ハウスダスト1gの中からはダニが数百匹~数千匹検出されますが、部屋をあまり掃除しない人はそうでない人に比べて、多くのダニに囲まれて生活しているかもしれません。
また、現代の住まいは密閉度が高く湿度も高いため、カビや細菌が繁殖しやすくなっています。
ダニやカビを含むアレルギー性鼻炎の原因となる物質をなるべく減らし、アレルギー性鼻炎の症状改善のために有効なことを5つ紹介します。
- 部屋をこまめに掃除し、アレルゲンを吸い込む量をできるだけ減らす
- 布団は天日干しや布団乾燥機を使い、カーテンなどの布製品は頻繁に洗濯する
- 空気清浄機を設置して、空気中のハウスダストを除去する
- 部屋の換気を良くして湿気がこもるのを防ぐ
- エアコンのフィルターは2週間に1度をめやすに掃除する
また症状がつらい場合は、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの働きや粘膜の炎症を抑える市販薬を使うのも有効です。
ハウスダストによる鼻炎にも、
タリオンARがおすすめ!
タリオン®ARは、「べポタスチンベシル酸塩」(第2世代抗ヒスタミン薬)を医療用と同成分・同量配合した鼻炎薬。
速やかに体内に吸収され、ハウスダストなどによるくしゃみ・鼻みず・鼻づまりといった症状の緩和に効果を発揮します。
脳に入りにくいので集中力・判断力・作業能率の低下が起こりづらく、眠くなりにくいので、仕事中や外出先など「今すぐなんとかしたい!」という場合にもぴったりです。また、唾液の分泌を減らす抗コリン作用が少ないので、口が乾きにくいのもポイントです。
花粉、ハウスダストなどによる鼻のアレルギー症状に

医療用と同成分・同量配合
「ベポタスチンベシル酸塩」
第2類医薬品
アレルギー専用鼻炎薬 販売名:タリオンⓇAR
- 効能:
- 花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり
- 用法・用量:
- 成人(15才以上)1回1錠を1日2回、朝夕に服用してください。
アレルギー性鼻炎を放置すると、仕事や家事に集中できないだけでなく、鼻の奥の副鼻腔という空間に炎症が起きて膿がたまる副鼻腔炎を起こしたり、鼻茸ができることも。また、アレルギー性鼻炎による鼻づまりで寝つきが悪くなったり、睡眠時無呼吸症候群につながる可能性もあります。長期化させないよう早めの対策が必要です。
よくあるご質問

部屋の湿度が高いと、アレルギーが悪化するのはなぜですか?

ダニやカビは湿度の高い環境を好みます。ダニが活性化しやすいのは、室温20~40℃、湿度60%以上のとき。またカビは室温20~30℃、湿度60~80%でもっとも増殖します。エアコンや除湿機を上手に使用して、温度や湿度の調整を心がけましょう。

アレルギー性鼻炎か風邪か区別する方法はありますか?

風邪のときの鼻水は黄色っぽく粘り気があることが多いのに対して、アレルギー性鼻炎の鼻水は透明でさらさらしています。また、アレルギー性鼻炎のくしゃみは立て続けに何度も起こるという特徴があります。さらに鼻の症状だけでなく、せきやのどの痛みを伴うようなら風邪を疑ってみましょう。

家族全員同じ症状が出ています。
アレルギー性鼻炎は遺伝しますか?

一般に親がアレルギー体質なら子どももそうなることが多いと言われています。それはアレルギーに関連するIgE抗体を産生する能力は遺伝することがあるからです。ただ、ハウスダストによるアレルギーに関しては環境によるものも多いでしょう。同じ空間で過ごしているということは、家族全員が同じ量のアレルゲンに接しているとも言えるからです。





