ツラいのは春だけじゃない!
秋の花粉症の原因植物と
対策を徹底解説

花粉症といえば、スギやヒノキによるものというイメージがあるかもしれませんが、実はそれ以外にも花粉症を引き起こす植物はあるのです。この時期に止まらないくしゃみや鼻水に悩まされているという人、それはもしかして「秋の花粉症」かもしれません。秋の花粉症を引き起こす植物と対策を、大久保公裕先生に伺いました。
- 監修
- 大久保先生
医師・日本医科大学名誉教授
日本医科大学大学花粉症学講座 教授
奥田記念花粉症学等学術顕彰財団 理事長
NPO花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会 理事長
日本アレルギー協会理事
そのくしゃみ、風邪ではなく花粉症かも

「春は過ぎたのに、まだ鼻水やくしゃみが止まらない……」「夏の終わりごろから、毎年必ず鼻炎が悪化する」といった人はいないでしょうか。毎年決まって症状が出るという人は、秋の花粉症かもしれません。症状がよく似ているので風邪と間違われがちですが、花粉症には次のような特徴があります。

秋の花粉症は上記のような一般的な花粉症の症状に加え、喉の痛みや咳が加わることがあります。秋の花粉症の代表的な原因であるブタクサの花粉は、スギの花粉などと比べて粒子が小さく、鼻粘膜を通過して気管支まで届いてしまうことがあるためです。
秋の花粉症、その原因となる植物は?
秋の花粉症を引き起こすのは、主にブタクサやヨモギ、セイタカアワダチソウといったキク科の植物。また、ススキやカモガヤなどのイネ科の植物やカナムグラやイラクサの花粉が原因になることもあります。花粉症を引き起こす花粉の種類は日本では50~60種類ほど報告されています。
どれも道路沿いや空き地、河川敷、公園など私たちの身近にある植物で、「そういえば通勤途中に公園のそばを通ると鼻がむずむずしてくる」なんて人も多いかもしれません。
ちなみに、日本で最初に見つかった花粉症はスギではなくブタクサによるものです。ブタクサは戦後アメリカ進駐軍によって日本へ持ち込まれた植物ですが、欧米ではスギよりもむしろブタクサによる花粉症の方が大きな問題になっているのだとか。
秋の花粉症の原因となる植物と
花粉の飛散時期

対策は花粉を体内に入れないこと。
それでも症状が出てしまったら……?

人間の体はウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入してきたときに素早く攻撃する免疫という仕組みがあります。花粉症は、本来それほど害がないはずの花粉を外敵とみなして攻撃し、体外に追い出そうとしてくしゃみや鼻水などを出すアレルギー症状です。
基本的には花粉が体内に入らなければ症状は出ないため、一番の対策は花粉症を起こす植物の近くに近寄らないこと。幸い秋の花粉症を起こす植物は草丈が低く、スギ花粉のように花粉を遠くへは飛ばせません。花粉が飛ぶ距離はせいぜい数メートル~数十メートル程度なので、通勤や買い物など、生活圏にこれらの植物がある場合は、ルートを変えると良いでしょう。
また、マスクや花粉症用のメガネを使用したり、ポリエステルやナイロンなど花粉の付きにくい素材の服を着たりなど、春の花粉症と同じような対策も有効です。帰宅時は玄関で衣類に付いた花粉をよく払い落としてから家に入ること。床をこまめに掃除し、空気清浄機を使うのもおすすめです。
症状がツラいときは、市販薬で抑えるのもひとつの方法です。市販薬にはさまざまな形状や種類などがありますが、症状にあわせて使い分けてみてください。
抗ヒスタミン薬
アレルゲンが入ってきたときに免疫細胞から放出されて鼻水やかゆみなどを引き起こす物質「ヒスタミン」の働きを抑える薬。最近では眠気や口の乾きなどの副作用が少ない第2世代が主流です。
点鼻薬
鼻水やくしゃみ、鼻づまりなど花粉症による鼻の症状をピンポイントで抑えたいときに。特に鼻づまりに効果を発揮するのはステロイド配合の点鼻薬がおすすめですが、抗アレルギー成分の入った点鼻薬もあります。
点眼薬
花粉症による目のかゆみや充血、涙目など、特に目の症状がツラい場合には、アレルギー用の点眼薬があります。ただし抗アレルギー点眼薬のなかにはコンタクトレンズを付けているときには使用できないものも。普段コンタクトレンズを使っている人は購入時にパッケージなどを確認しましょう。
秋の花粉症の症状緩和に!
タリオンARとは
タリオン®ARは、鼻水や鼻づまりなど、秋の花粉症の症状を緩和する内服薬です。
朝夕、それぞれ1錠ずつの服用で、症状を24時間しっかりと抑えてくれます。「鼻がむずむずしてきた」「鼻づまりが気になった」と思ったときに食前・食後を気にせず、服用できます。
鼻にはしっかりと効いて脳には入りにくい第2世代の抗ヒスタミン薬なので、集中力や判断力、作業能率などの低下を起こしにくく、眠くなりにくいお薬です。
花粉、ハウスダストなどによる鼻のアレルギー症状に

医療用と同成分・同量配合
「ベポタスチンベシル酸塩」
第2類医薬品
アレルギー専用鼻炎薬 販売名:タリオンⓇAR
- 効能:
- 花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり
- 用法・用量:
- 成人(15才以上)1回1錠を1日2回、朝夕に服用してください。
タリオン®ARは、ドラッグストアや薬局、オンラインなどで購入することが可能。キャンプや旅行など、自然のなかに出かけることも多いこれからの季節。せっかくの楽しい予定を憂鬱なものにしないために、用意してみてはいかがでしょうか。
よくあるご質問

毎年花粉症に悩まされていますが、薬はいつごろから服用すればいいですか?

花粉飛散予測日から、または、症状が出始めたら早めに服用を始めると効果的です。「我慢できなくなったときだけ飲む」のはあまりおすすめできません。

スギ花粉症の薬は、秋の花粉症にも効果がありますか?

放出されたヒスタミンのはたらきを抑える抗ヒスタミン薬は、スギだけでなく、様々な植物の花粉症に効果を発揮します。スギ花粉症と秋の花粉症の両方に悩まされている人は、ぜひ自分にあった薬をみつけてみましょう。

一度花粉症になったら、治らないのでしょうか?

病気の症状がほぼなくなる状態を寛解といいますが、スギ花粉症の自然寛解率は、残念ながらあまり高くはありません。ただスギ花粉症では、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少しずつ体内に取り込みアレルギー反応を抑える「舌下免疫療法」の効果が認められていて、症状が大幅に緩和したりほとんど発症しなくなる人もいます。





