2024年春の花粉飛散予測
飛散時期は例年よりやや早くなり、
花粉数は前年より減少しますが、予防対策は早めにとったほうがよいでしょう。
■原稿提供:村山 貢司氏(気象予報士)
■情報提供:NPO花粉情報協会
■花粉飛散量が2,000個/cm2以上を多い、 2,000個/cm2未満を少ないとしています。
2024年春のスギ・ヒノキ花粉
飛散開始時期予測
- 2024年春のスギ花粉の飛散開始は例年よりも早くなるでしょう。
- スギ花粉がいつ頃から飛び始めるかは11月以降の気温の推移によって決まります。
スギの雄花は11月中旬にはほぼ完成し、その後昼間の時間が短くなり、気温の低下によって休眠に入ります。意外なようですが実は休眠する期間は気温が低いほど短くなります。
休眠期間にあたる2023の年の11月から12月の気温は平年よりやや高かったため、休眠に入る時期や休眠から覚める時期は例年並みかやや遅くなる見込みです。
一方、休眠から覚めた後は開花の準備期間になりますが、今度は気温が高いほど準備期間は短く、花粉の飛散開始が早くなります。逆に気温が低いと長くなり飛散開始が遅くなります。
気象庁の長期予報では、2024年の1月から2月はエルニーニョ現象の影響で高温になる可能性がかなり高くなっており、2024年春のスギ花粉の飛散開始は例年よりも早くなる見込みです。
なお、ヒノキ花粉の飛散開始も例年よりやや早くなり3月上旬頃になるでしょう。花粉数は前年より減少しますが、予防対策は早めにとった方がよいでしょう。
2024年春の花粉飛散数予測
- 2024年春のスギ・ヒノキの花粉数は北日本の一部を除いて2023年春より少なくなりますが、過去10年との比較では並みかやや多い見込みです。
ただ、地域によるばらつきが大きく、2023年春に大量飛散になった地域では例年よりも少なくなるでしょう。 - スギやヒノキの花粉数は、6月から7月の日照時間と前年の花粉数に大きな影響を受けます。花粉を作る雄花は6月から7月に成長を始め、この時期の日照時間が多いと雄花(花粉)が多くなります。一方で、前年に大量の雄花が着いた枝は気象条件が同じでも雄花数が減少する傾向があります。2023年春に全国的に雄花が多くなった反動で2024年9月の時点でスギ雄花は前年より減少しています。さらに西日本では6月から7月の日照時間がやや少なくなったために、かなり少ない地域もあるでしょう。
なお、花粉症の初診患者数は2月から3月の花粉数に比例します。2024年の花粉数は2023年よりも減少しますが、エルニーニョの影響で1月から3月にかけて気温が高い見込みです。
2024年春は例年より早い時期に花粉数のピークになる見込みで、花粉症の初診患者数は2023年と大きな変化はない見込みです。
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エリア別花粉カレンダー
エリアごとに主な花粉の飛散時期と
花粉量をご確認いただけます。
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北海道エリア
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東北エリア
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関東エリア
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東海エリア
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関西エリア
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九州エリア
※日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会、鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会編:
「鼻アレルギー診療ガイドライン2020年度(改訂第9版)」P26図6を改変
(原典)花粉誌2020;65:55-56.を改変