『水虫』の原因・症状・治療法【症例画像】

ジュクジュクの足白癬(水虫)

カサカサの足白癬(水虫)


症例画像を鮮明にする

※ボタンを押下することで症例画像が切り替わります。

水虫とは

  • 水虫とは、足に皮膚糸状菌(皮膚糸状菌感染症を白癬と言うので、皮膚糸状菌を白癬菌と称することがある)が感染することで発症します。
  • 水虫の原因となる白癬菌は、ジメジメとした高温多湿な環境で増殖するため、靴下で蒸れやすい足の裏や指の角質層に発生します。

水虫の種類

  • 水虫には主に3種あります。

趾間型(しかんがた)

足の指の間に症状が出ます。赤みや小さな水疱ができ、やがて皮膚がふやけたように白くなり、ぽろぽろと剥がれ落ちるようになり(乾燥型)、またジュクジュクすることもあります(湿潤型)。水虫の中で最も多いタイプで、強いかゆみを伴うこともあります。高温多湿な季節に悪化する傾向があります。

小水疱型(しょうすいほうがた)

足の裏に小さな水疱ができ、やがて皮がむけます。強いかゆみを伴うこともあります。趾間型と同じく高温多湿な季節に悪化する傾向があります。

角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)

足の裏全体が多少赤味を帯び、皮膚が分厚く・硬くなり、ひび割れをしたり、白く乾燥し、皮膚がむけたりします。かゆみを伴わないため、水虫と気づかないケースもあります。冬場は角質化した部分がひび割れて痛みが出ることがあります。

水虫に関連して起こる白癬症

手白癬(手水虫)

手白癬(手水虫)


症例画像を鮮明にする

※ボタンを押下することで症例画像が切り替わります。

手水虫ともいい、手にできる白癬のことです。手のひらにかゆみのある小さな水疱ができ、皮がむけることもありますが、皮膚が分厚くなることが多いです。手だけに白癬を発症することは稀で、たいてい足白癬を掻くことによって、手にうつって発症するケースがほとんどです。

爪白癬(爪水虫)

爪白癬(爪水虫)


症例画像を鮮明にする

※ボタンを押下することで症例画像が切り替わります。

爪にできる白癬です。爪の先端あるいは爪の脇から進行することが多く、爪は白~黄色に濁ってきます。進行すると爪自体が分厚く変形します。年齢とともに発症率が高くなる傾向があります。

水虫と似た症状の疾患

  • 水虫とは異なる病気で、似たような症状を持つ皮膚疾患がいくつかあります。

汗疱(かんぽう)

手指や手のひら、足底に突然1~2mm大の透明で小さな水ぶくれ(小水疱)ができます。多くは原因不明ですが、金属による全身性接触皮膚炎という一種のアレルギー反応が関係しているケースもあります。感染性はありません。数カ月で自然に治りますが、再発を繰り返すことが多いです。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症とは、手のひらや足の裏に、透明あるいは濁った水疱がくり返しできる病気です。詳しい原因が解明されていませんが、喫煙や金属アレルギーが関与しているケースがあります。感染性はありません。

皮膚カンジダ症

主に陰部の粘膜から皮膚にかけて、カンジダというカビが寄生することによって起こる感染症です。軽いかゆみのあるジュクジュクした紅斑が広がります。

疥癬(かいせん)

ヒゼンダニというダニが皮膚の角質層に寄生して起こる感染症です。強いかゆみを伴って、赤いブツブツや水膨れができることもあります。足の裏に水膨れができると足白癬と紛らわしいです。

水虫の治療法

  • 水虫の治療は通常、抗真菌剤を含んだ外用薬を塗って治療します。水虫に効く市販のOTC医薬品が多数販売されていますので、ドラッグストアで相談しましょう。
  • 外用薬での治療は、症状が治まってすぐにやめると再発しやすいため、1カ月は塗り続けましょう。市販のOTC医薬品で改善しない、何度も再発する場合は病院を受診してください。
  • 爪白癬は市販のOTC医薬品では対処できません。内服や医療機関専用の塗り薬での治療が必要ですので皮膚科を受診してください。また、足白癬であっても、角質増殖型は、外用薬だけでは治癒しません。治療期間も数カ月単位で長くかかるケースも多いため、病院を受診し、医師による治療を受けましょう。
  • 水虫は他の皮膚疾患との見分けが難しく、正しい治療をしなければ悪化して病気が進行する恐れがあるため基本的には病院を受診し、直接鏡検という検査を受けて、診断を確認しましょう。

水虫の予防法

  • 水虫は、スリッパ・バスマットなどを介して、健康な皮膚に白癬菌が付着して感染します。できる限り、共用しないようにしましょう。
  • 例えば、公共のプールや温泉、スポーツジム、フィットネスクラブの更衣室などでは、多くの人が裸足で歩いたり、スリッパ・マット類を共用したりすることがあるため、白癬菌が存在します。そのような場所を利用した後は、石鹸やボディーソープで足の裏、足の指の間などをよく洗って、皮膚に付着した白癬菌を洗い流しましょう。
  • ただしゴシゴシ洗いをすると、皮膚に傷をつけ、かえって水虫にかかりやすくなります。
  • 白癬菌が付着しても、すぐに感染するわけではなく、感染には24時間以上かかります。1日1回の入浴などで身体を清潔にしていれば、感染を予防することができます。
  • 夏場は特に、靴の中が蒸れやすくなります。そのままにすると白癬菌が繁殖しやすいため、通気性の良い靴下を選んだり、サンダルなどを履いたりして、蒸れないように工夫しましょう。
  • 水虫はほとんどが家庭内感染ですので、家族の水虫を治すとともに、家庭内に存在する白癬菌を掃除などで取り除くことが大切です。

監修

帝京大学医学部皮膚科 名誉教授

渡辺晋一先生

1952年生まれ、山梨県出身。アトピー性皮膚炎治療・皮膚真菌症研究のスペシャリスト。その他湿疹・皮膚炎群や感染症、膠原病、良性・悪性腫瘍などにも詳しい。東京大学医学部卒業後、同大皮膚科医局長などを務め、85年より米国ハーバード大マサチューセッツ総合病院皮膚科へ留学。98年、帝京大学医学部皮膚科主任教授。2017年、帝京大学名誉教授。帝京大学医真菌研究センター特任教授。2019年、『学会では教えてくれない アトピー性皮膚炎の正しい治療法(日本医事新報社)』、2022年『間違いだらけのアトピー性皮膚炎診療(文光社)』を執筆。

他の症状を探す

他の症状を探す場合はこちらから

症状一覧ページへ