タイプ1 以前のように食べられなくなった。 加齢による機能低下
主な症状
胃もたれ、食欲不振
解説
私たちが口から摂り入れた食べ物は、食道を通り、胃から小腸に移動しながら消化吸収されます。
三大栄養素の1つである脂肪は、炭水化物やタンパク質と異なり、ほとんど消化されないまま十二指腸に到達します。すなわち、脂っこい料理で胃がもたれる原因は、胃ではなく、肝臓や十二指腸が関係しています。
胃から十二指腸に脂肪が流入すると、消化管ホルモンのコレシストキニン(CCK)が放出されます。
CCKは小腸での消化吸収を促進する一方、胃の運動を抑制する作用があります。通常、胆汁酸が十二指腸に流入し、胆汁酸の濃度があるレベルに達すると、脂肪がミセルと呼ばれる微粒子の内部に取り込まれます。すると、この消化管ホルモンの放出が止まり、再び胃が動き出します。
(詳しい解説はこちら→脂肪で胃がもたれる仕組み)
胆汁酸は肝臓でつくられますが、肝臓は消化器の中でも加齢の影響を受けやすく、30~40代をピークに機能が低下していきます。
すなわち、加齢によって胆汁酸の分泌が低下してくると、十二指腸内の胆汁酸が不足して胃の運動が抑制されたままになるため、もたれが起こります。これが脂っこい料理で胃がもたれるメカニズムです。
加齢による機能低下は避けられませんが、お酒を飲み過ぎないなど日頃のケアで機能低下を遅らせることはできます。