皮膚掻痒症の症例画像
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症状の特徴
発疹など目立った症状が見られないのに、かゆみだけがあります。
かいたところに炎症を起こし、二次的に湿疹などができることがあります。
かゆみだけですが、全身にかゆみが出る場合や、外陰部や肛門周囲、頭部など一部分にかゆみが出ることもあります。
原因
限局性皮膚掻痒症
外陰部(主に中年以降の女性)、肛門部(主に中年以降の男性)にかゆみが起こります。
汎発性皮膚掻痒症
内臓疾患など内因性の原因により、全身の皮膚にかゆみが起こります。
- 代謝性疾患:肝硬変、尿毒症、慢性腎不全、痛風など
- 内分泌性疾患:糖尿病、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、妊娠中毒症など
- 悪性腫瘍:悪性リンパ腫(ホジキン病、菌状息肉症)など
- 血液疾患:多血症、鉄欠乏性貧血など
- 寄生虫症:回虫、十二指腸虫など
- 心因性:神経症、ストレス、精神的不安など
治療法、日常生活上の注意
かゆみの原因となっている病気があれば、その治療が第一となります。
皮膚が乾燥している時には保湿剤を塗ります。かゆみが強い時には抗ヒスタミン剤を内服します。かいて湿疹病変ができた場合にはステロイド外用剤で治療します。
日常生活のポイント
- 室内の湿度を出来るだけ上げましょう。
- 加湿器やぬれタオルを置くなどして加湿を保ちましょう。
- 静電気を起こしやすい服やチクチクと刺激のある服を避け、軟らかい素材の木綿や絹を選びましょう。
- せっけんやシャンプーは低刺激性の物を選びましょう。
- シャンプーは体につくと刺激になるので、体にかからないようにしましょう。
- ナイロンタオルやスポンジなどでゴシゴシ洗わずに、素手で洗いましょう。
- 特に乾燥がひどい場合は、皮脂を落とさないためにせっけん洗いは週に1〜2回程度にしましょう。
- 香辛料やアルコールは体を温め、かゆみを増強するので控えましょう。
監修
帝京大学医学部皮膚科 名誉教授
渡辺晋一先生
1952年生まれ、山梨県出身。アトピー性皮膚炎治療・皮膚真菌症研究のスペシャリスト。その他湿疹・皮膚炎群や感染症、膠原病、良性・悪性腫瘍などにも詳しい。東京大学医学部卒業後、同大皮膚科医局長などを務め、85年より米国ハーバード大マサチューセッツ総合病院皮膚科へ留学。98年、帝京大学医学部皮膚科主任教授。2017年、帝京大学名誉教授。帝京大学医真菌研究センター特任教授。2019年、『学会では教えてくれない アトピー性皮膚炎の正しい治療法(日本医事新報社)』、2022年『間違いだらけのアトピー性皮膚炎診療(文光社)』を執筆。