ムカデに咬まれたらどうすれば?症状、対策、対処法を解説


ムカデに咬まれると、ムカデの持つ毒素によって激しい痛みとともに、患部に腫れやかゆみなどの炎症が生じます。今回は、ムカデに咬まれた時の症状や対処法を解説します。ムカデに咬まれないための対策も知っておきましょう。

ムカデとは

ムカデは、唇脚綱(ムカデ綱)に属する節足動物で、日本国内では約150種類が生息しています。日本国内で発生するムカデによる被害の多くが「トビズムカデ」によるものです。「トビズムカデ」は体長約7~15cmの成体で、頭部が鳶色であることから「トビズ」と呼ばれています。

ムカデは、石や岩、落ち葉の下などに生息し、夜間に活動します。ムカデは自分から人を咬むことはありませんが、靴やスリッパの中にムカデが潜んでいるのを知らずに踏んでしまう、庭の石や植木鉢を移動させる際にムカデがいることに気が付かずに触ってしまうなど、ムカデを刺激することで人を咬むことがあります。

ムカデに咬まれた時の症状

ムカデに咬まれると、毒牙が皮膚に刺さった瞬間に激痛が走ります。さらに毒牙から注入される毒により、咬まれた部位の皮膚に炎症が起きて赤く腫れあがります。痛みは数時間ほどで軽快しますが、翌日以降にさらに腫れたり、かゆみやしびれ、赤みが生じたりすることがあります(遅延型アレルギー反応)。

ごく稀に、咬まれた直後に蕁麻疹や呼吸困難、めまいなどの即時型アレルギー反応が現れることもあります。また、過去にムカデに咬まれたことがある人は、ムカデの毒に対する抗体ができているため免疫機能が過剰反応してしまうことによってアナフィラキシーショックを起こすこともあります。めまいや吐き気、意識が薄れるなど、普段とは異なる症状が現れた場合はすぐに病院を受診してください。

ムカデに咬まれやすい時期や場所

ムカデによる被害は、冬以外の季節で発生します。ムカデは夜行性で、日中は石や岩、落ち葉の下などに潜んでいますが、夜になるとゴキブリやクモなどの昆虫を捕まえて食べるために活動します。エサになる昆虫が多くいる家の床下や屋根裏、排水溝付近のジメジメした場所は、ムカデの格好の住みかです。そのため、ガーデニングや野外作業の際に、ムカデがいるのに気が付かずに触れてしまうことで、ムカデに手や足を咬まれることがあります。

ムカデの身体はとても薄く、わずか数ミリの隙間があれば簡単に家の中に侵入します。夜中に台所や風呂場、玄関などでムカデの存在に気が付かずに踏みつけてしまったり、追い払おうとして咬まれてしまったりすることがあります。

ムカデに咬まれないための対策

ムカデが家の中に侵入するのを完全に防ぐのは困難ですが、窓枠やドアの隙間を隙間材で埋め、床下環境を改善することが重要です。さらに、ムカデが生息する草むらや雑木林、庭などで、植木鉢や庭石を移動させる際は、持ち上げた際にムカデが潜んでいないかどうかを確認しながら作業し、素手や素足ではなく、軍手や長靴をかならず着用してください。

また、ムカデはエサとなるゴキブリを追いかけて屋内に侵入します。まず、家の中でゴキブリが繁殖しないように、薬剤を使って定期的に駆除しましょう。普段から窓やドアを開けっ放しにせず、網戸をするなどして、ムカデの侵入経路を無くすことが必要です。

山間部など、ムカデの多い地域では、スリッパや靴の中にムカデが隠れていないかを確認してから履くことを習慣づけましょう。もし、ムカデに遭遇した場合は、決して手で払わずに殺虫剤を吹きかけて駆除しましょう。

ムカデに咬まれた時の対処法

ムカデに咬まれた時は、できるだけ早く咬まれた箇所を流水で洗い流しましょう。咬まれた部位に腫れやかゆみ、痛みなどの症状がある時は、患部に炎症が起きているサインです。ムカデの毒による炎症に対しては、市販のステロイド外用剤を塗って治療します。市販のステロイド外用剤は、充分な強さのものを使用します。

中学生以上~大人なら「ストロング」ランクのステロイド外用剤を塗って経過をみます。幼児~小学生の子どもは、「マイルド」ランクを、2才未満の赤ちゃんは「ウィーク」ランクのステロイド外用剤を塗って治療します。ただし、小さな子どもや赤ちゃんの場合は大人に比べて症状が強く出る傾向があります。小さな子どもや赤ちゃんがムカデに咬まれた時は、まず病院を受診し、医師の診断と治療を受けましょう。

病院に行く目安

ムカデに咬まれたかどうか不明な場合、ムカデに咬まれた部位にステロイド外用剤を5~6日間使用しても症状が改善しない、または悪化している場合、咬まれた後に頭痛や吐き気などの重篤な症状が現れた場合は、すみやかに医療機関を受診してください。

監修

帝京大学医学部皮膚科 名誉教授

渡辺晋一先生

1952年生まれ、山梨県出身。アトピー性皮膚炎治療・皮膚真菌症研究のスペシャリスト。その他湿疹・皮膚炎群や感染症、膠原病、良性・悪性腫瘍などにも詳しい。東京大学医学部卒業後、同大皮膚科医局長などを務め、85年より米国ハーバード大マサチューセッツ総合病院皮膚科へ留学。98年、帝京大学医学部皮膚科主任教授。2017年、帝京大学名誉教授。帝京大学医真菌研究センター特任教授。2019年、『学会では教えてくれない アトピー性皮膚炎の正しい治療法(日本医事新報社)』、2022年『間違いだらけのアトピー性皮膚炎診療(文光社)』を執筆。

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