蚊に刺されたらどうすれば?症状、予防、対処・治療法を解説


蚊による虫刺されは、日常的に遭遇しやすい皮膚トラブルです。蚊に刺された部位を、かゆみにまかせて掻きむしってしまうと、よけいにかゆみが増してしまい、症状が悪化したり、皮膚が傷ついて化膿したり、色素沈着を起こしてしまったりすることもあります。蚊による虫刺されは、まずは蚊に刺されないように予防することが大切ですが、もし刺されてしまったら、放置せずにできるだけ早く対処する必要があります。今回は、蚊による虫刺されの症状や予防法、刺されてしまった時の対処・治療法、医療機関を受診する目安などを解説します。

蚊に刺された時の症状

蚊とはどんな虫?

蚊と聞くと、「血を吸う虫」というイメージがありますが、国内に生息する蚊の約120種類の中で、人を吸血する主な種類は、アカイエカ、ヒトスジシマカ(ヤブ蚊)、チカイエカなどの約20種類です。さらに、血を吸うのは産卵を控えた雌の成体だけで、普段のエサは草花の汁や蜜です。蚊の幼虫であるボウフラは水の中で成長するため、蚊はジメジメした水たまりや排水溝、植木鉢の受け皿にたまった雨水などから発生します。

蚊による虫刺されの症状の特徴

蚊に刺されると、直後から急激なかゆみを感じ、赤く盛り上がりのある発疹(膨疹)が出ます。症状の多くは数時間程度で、痕を残さず自然に治ることがほとんどです。蚊による虫刺されの皮膚反応は、蚊が吸血する際に人間の皮膚の中に注入した「唾液腺物質」に対するアレルギー反応によって起こります。つまり、私たちの身体が蚊の唾液を異物と認識し、それに対する防御反応として赤みやかゆみが発生します。

蚊の唾液に対するアレルギー反応には、刺された直後から症状が出て、数時間程度で症状が治まる「即時型反応」と、翌日などしばらく後に症状が出て、数日から1週間程度かけて軽快する「遅延型反応」があります。ただし、症状の程度には個人差があり、ひどいと水ぶくれができたり、症状が数日続いたりすることもあります。また、かゆいからといって掻きむしってしまうと傷になり、そこから雑菌が侵入して化膿し、治りにくくなることもあります。

蚊に刺されないための予防法

外出時や野外活動での予防法

蚊は水たまりや草むら、日陰などに潜み、人に吸血する機会を狙っています。蚊が発生しそうな場所に出かける際は、長袖・長ズボンを着用し、スカーフやタオルで首回りを覆うなど、できるだけ皮膚の露出を減らしましょう。蚊は、黒や紺など濃い色を好む性質があるため、衣服は白や黄色など明るめの色の服を選びましょう。首筋や手指、手首など衣服で隠せない場所は、虫よけスプレーなどを活用して蚊を寄せ付けないようにしましょう。

自宅の庭やベランダ、玄関などに植木鉢などを置いている場合は、蚊を発生させないことが大切です。水たまりや排水溝、植木鉢の受け皿にたまった雨水などのわずかな水は蚊の幼虫であるボウフラの発生源になるため、こまめに掃除をして、蚊の発生を防ぎましょう。

屋内での予防法

窓や網戸、ドアなどを閉めて蚊の侵入を防ぎましょう。それでも、蚊は人の出入りの際に、人について入ってきてしまうこともあります。空間用の蚊取りスプレーや蚊取り線香などを活用し、蚊を寄せ付けにくい環境を整えましょう。

蚊に刺された時の対処・治療法

蚊に刺されると強いかゆみを感じますが、刺された部分は掻かないようにしてください。掻くことで新たな刺激となって炎症が広がり、さらにかゆくなるという悪循環になる場合や、掻き壊すことで皮膚が傷つき、そこに細菌が侵入して化膿したり、色素沈着を起こしたりする場合もあります。かゆみを感じたら、濡れタオルや冷水をあてて患部を冷やし、かゆみをしずめましょう。かゆみが強い時や、患部に赤みや腫れがある時は、炎症が起きているサインです。患部を洗って清潔にしたら、ステロイド外用剤を塗って治療します。

市販のステロイド外用剤は、充分な強さのものを使用します。中学生以上~大人なら「ストロング」ランクを、幼児~小学生の子どもは「マイルド」ランクを、2才未満の赤ちゃんは「ウィーク」ランクを使用しましょう。ただし、小さな子どもや赤ちゃんなど、蚊に刺されたかどうか不明な場合は自己判断をせずに小児科を受診してください。

病院に行く目安

通常、蚊による虫刺されの場合は、かゆみや赤み、腫れが続いた場合でも、数日で軽快します。しかし、蚊に刺された部位以外にもかゆみや腫れ、水ぶくれなどの症状が出ている時や、発熱・めまいなどの全身症状がある時は、すぐに医療機関を受診しましょう。また、かゆみや腫れのある部位に対し、ステロイド外用剤を5~6日間使用しても症状が改善しない、または悪化している場合も受診が必要です。

監修

帝京大学医学部皮膚科 名誉教授

渡辺晋一先生

1952年生まれ、山梨県出身。アトピー性皮膚炎治療・皮膚真菌症研究のスペシャリスト。その他湿疹・皮膚炎群や感染症、膠原病、良性・悪性腫瘍などにも詳しい。東京大学医学部卒業後、同大皮膚科医局長などを務め、85年より米国ハーバード大マサチューセッツ総合病院皮膚科へ留学。98年、帝京大学医学部皮膚科主任教授。2017年、帝京大学名誉教授。帝京大学医真菌研究センター特任教授。2019年、『学会では教えてくれない アトピー性皮膚炎の正しい治療法(日本医事新報社)』、2022年『間違いだらけのアトピー性皮膚炎診療(文光社)』を執筆。

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