デリケートゾーンがヒリヒリしたり痛みを感じたことはありませんか?もしかしたらその症状はヘルペスかもしれません。
ヘルペスとは、ヘルペスウイルスが皮膚や粘膜に付着して、水ぶくれができた状態のこと。唇などに発症するイメージがありますが、実は陰部に発症することもあるのです。
デリケートゾーンにヒリヒリした痛みを感じたら、放っておかずに早めの対処を。
考えられる皮膚トラブル
性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって、性器やその周辺に水疱や潰瘍等の病変が形成される疾患です。
※ステロイド外用剤対象外の疾患です。専門医の治療が必要です
お尻・デリケートゾーンの皮膚トラブルの対処・治療法
生理用品や下着でかぶれた場合は炎症が起こっているため、ステロイド外用剤を使用して一気に治すことが大切です。
デリケートだからといって弱いランクのステロイド外用剤を選ぶと、症状を抑えきれず、悪化する可能性があるので注意が必要です。年齢に合ったランクのステロイド外用剤を使用しましょう。
治療にあたっての注意
- 数日から1週間程度使っても改善がみられない、悪化した場合は、感染症などの場合があるので、すぐにお医者さんに相談しましょう。
- かゆみの症状が出ていても下記は感染症のため、ステロイド外用剤ではかえって悪化する場合があります。かゆみ以外に、普段と違ったおりものが出る場合や特に匂いが気になる場合には、感染症の疑いがあるため早めにお医者さんへ相談しましょう。
・ウイルス性のヘルペス
・白癬(はくせん)菌によるインキンタムシ
・外陰腟カンジダ症
・細菌性腟症
・腟トリコモナス
・萎縮性腟炎 - 赤ちゃんのおむつかぶれはカンジダとの区別が難しいため、迷ったらお医者さんに相談し、適切な治療を受けましょう。
監修
帝京大学医学部皮膚科 名誉教授
渡辺晋一先生
1952年生まれ、山梨県出身。アトピー性皮膚炎治療・皮膚真菌症研究のスペシャリスト。その他湿疹・皮膚炎群や感染症、膠原病、良性・悪性腫瘍などにも詳しい。東京大学医学部卒業後、同大皮膚科医局長などを務め、85年より米国ハーバード大マサチューセッツ総合病院皮膚科へ留学。98年、帝京大学医学部皮膚科主任教授。2017年、帝京大学名誉教授。帝京大学医真菌研究センター特任教授。2019年、『学会では教えてくれない アトピー性皮膚炎の正しい治療法(日本医事新報社)』、2022年『間違いだらけのアトピー性皮膚炎診療(文光社)』を執筆。