UDCAは、熊の胆汁から作られる生薬「熊胆(ゆうたん)」の薬効を起源とし開発された薬です。
ラテン語の熊の総称「ウルスス」から「ウルソデオキシコール酸」と命名されました。
熊胆は、奈良時代に遣唐使が日本に伝え、大変貴重な生薬とされていました。
江戸時代には、万能薬として庶民の間でも広まりました。
1927年、岡山大学で熊胆の主成分が特定され、その成分は、「ウルソデオキシコール酸」と命名されました。
1936年には、UDCAの構造式が決定されました。
その後、国内で研究が進められ、化学的に合成することに成功しました。
発見から合成まで、日本人の手によって成し遂げられた薬なのです。
1957年、東京田辺製薬(現:田辺三菱製薬)は、世界初のUDCA配合製剤「ウルソ錠」を発売しました。
1957年の発売以来、歩み続けて半世紀以上。
現在では、世界50カ国以上で、UDCAの製剤が使われています。
2016年3月、ついに田辺三菱製薬から、総合消化器改善薬「タナベ胃腸薬ウルソ」が薬局等で購入可能なOTC医薬品として発売されました。