ステロイド外用剤を
使用するときの注意点

デリケートエリアのかゆみやかぶれなどのよくある皮膚のトラブルはできれば自分で対処したいものです。適切な治療のためには、正しい知識を持ち、対処することが大切です。
かゆみ・かぶれなどの皮膚症状にステロイド外用剤を使用する際の注意点を解説します。
多くの女性がデリケートエリアのかゆみを経験しています
デリケートエリアの皮膚トラブルを抱える女性のうち、78%が「かゆみ」を経験しています。※「1年以内にデリケートエリアの皮膚トラブル」を経験した20~60代女性3127人を対象にした調査※でも、78%の女性がかゆみを経験したと回答しています。
デリケートエリアのかゆみの原因は様々ですが、主に「接触皮膚炎」「感染症」があげられます。そのほかにアトピー性皮膚炎などの体質的なことや、皮膚疾患・加齢性変化などが影響している場合もあります。原因によって治療法が異なるため、まずは原因を知ることが大切です。
一般的に、接触皮膚炎によるかゆみに対しては、炎症を抑えるステロイド外用剤が用いられますが、腟カンジダなどの感染症は悪化してしまうため使用できません。そのため、デリケートエリアのトラブルに対して、ステロイド外用剤を使用する際は、注意が必要です。
※【調査概要】女性20~60代、回答者数3,127人、2024年12月インターネットによるアンケート調査、調査委託先:読売広告社
デリケートエリアの接触皮膚炎とは?
デリケートエリアのかゆみの原因として、よくみられるのが「接触皮膚炎」です。接触皮膚炎とは、汗などによるむれ、下着や生理用品による摩擦など、特定の刺激によって皮膚がまけて、かゆみや赤み、ブツブツなどの症状が出る皮膚のトラブルです。
デリケートエリアの皮膚は薄く、常に下着などで覆われているため、湿気がこもってむれやすい場所です。さらに、下着や生理用品などの刺激によって、かぶれを起こしやすいです。
特に夏場は体温の上昇や汗、おりものによるむれで、かぶれが発生しやすくなります。また、トイレでデリケートエリアを強くこするなどの不適切なふき方、過度な洗浄、通気性の悪い下着の着用が引き金になって、かぶれてしまうこともあります。
ステロイド外用剤によるセルフメディケーションの方法
デリケートエリアがかぶれてかゆい場合はステロイド外用剤を使って自分で手当(セルフメディケーション)ができます。ステロイド外用剤は、かぶれによるかゆみの原因である皮膚の炎症を抑えることができ、医療機関でもスタンダードな治療法です。
ステロイド外用剤の正しい使い方
1日1~2回、適量を患部に塗布します。症状が良くなってきたら、回数を減らしながら使用します。
セルフメディケーションでは5~6日間を限度に使用します。5~6日間使用しても改善しない場合や悪化した場合は、医療機関を受診しましょう。
ただし、かゆみなど皮膚トラブルの原因が真菌(カンジダ)や細菌などの感染症と思われる場合は、ステロイド外用薬を使用すると症状を悪化させる恐れがあります。医療機関を受診しましょう。
ステロイド外用剤を使わないセルフメディケーションの方法
デリケートエリアのかぶれによるかゆみに対しては、ステロイド外用剤での治療がよく行われますが、抗ヒスタミン成分配合の外用剤や内服薬を使用する方法もあります。
- 抗ヒスタミン成分配合の外用剤 抗ヒスタミン成分配合の外用剤は、アレルギー反応によって放出されるかゆみ物質「ヒスタミン」のはたらきをブロックすることで、かゆみを鎮める成分です。このタイプの外用剤のなかにはメントールを配合して清涼感のある使い心地に配慮した製品や、局所麻酔薬であるリドカイン成分を配合してかゆみを抑える工夫をしている製品もあります。
- 抗ヒスタミン成分配合の内服薬 抗ヒスタミン成分配合の内服薬は、飲むことでかゆみ物質「ヒスタミン」のはたらきをブロックし、かゆみやアレルギー症状を抑えます。外出時や仕事中など、外用剤を塗れないときでも対処することができます。内服薬は、ステロイド外用剤やヒスタミン成分配合の外用剤と併用することも可能です。
ただし、市販の塗り薬や内服薬を使用しても、症状が改善しない場合や悪化している場合は、使用を中止して医療機関を受診しましょう。
日常生活で気を付けること
かぶれによる皮膚トラブルは、正しいケアで予防しましょう。デリケートエリアはむれやすく、雑菌が増殖しやすいため、毎日の入浴で清潔に保つことや、通気性の良い下着を身に着け、皮膚へのストレスを軽減することが大切です。
おりものシートやナプキンは、こまめに交換し、清潔に保つように心がけることで、むれや不快なにおい、雑菌の繁殖を防ぐことができます。皮膚が敏感な方は、デリケートエリアの皮膚に触れるものの素材を見直し、自分に合った下着を選ぶことも大切です。また、汗をかきやすい夏場やスポーツの後は、汗をふきとり、清潔な下着に交換するようにしましょう。
下着による締め付けや摩擦による刺激もトラブルの原因になります。締め付けの少ないゆったりした下着を選ぶ、トイレや入浴の後、デリケートエリアをこすり過ぎていないかを見直しましょう。また、排便後は前から後ろに向かってふいて、腟に雑菌が侵入しないように注意しましょう。
デリケートエリアの
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